物理(Physics)

 ナノメディシンの構造や物性を正確に測定することは、レギュラトリーサイエンスの観点からも重要です。医薬品としての認可には、その医薬品の効果だけではなく、その医薬品の物性の統計的な情報が必要になります。ナノメディシンの場合は、単なる大きさだけではなく、安定性・形状・会合数・密度など、他にも様々な情報が実用化における薬理効果や安全性に起因するため要求されます。(参考資料:櫻井、DDS学会誌 34-3 2019

 

 我々櫻井研究室では、DDSの分野と構造解析を強く結びつけ、DDSに構造解析がいかに重要かを訴えるとともに、ナノメディシンの構造と薬理効果の相関関係を解明し、理想的なナノメディシンのデザインを探求しています。​

 

 ナノメディシンは名前の通り、その大きさはナノサイズであるため、目で見ることができません。我々櫻井研究室では、SPring-8などの量子ビームを用いた小角散乱や保有している様々な装置を駆使し、ナノメディシンの物性評価を行っています。最近では、大学の計測分析センター(下にリンク)に低温透過電子顕微鏡(cryo-TEM)が導入され、より質の高い構造解析が可能になりました。さらに最近では、日本で我々しか保有していない(2021年5月現在)装置を導入し、ナノの世界からマイクロの世界までの構造解析が可能になりました。

 我々の研究室では、散乱による統計的な構造解析電子顕微鏡による実像観察によって世界トップレベルのナノ粒子構造解析ができます。

SPring-8とは

 SPring-8(Super Photon ring 8GeVの略、8GeVは電子加速エネルギー)は、兵庫県の佐用郡にある大型放射光施設で、世界一の放射光を発生させることができます。その放射光を持ちて、物質科学・地球科学・生命科学・環境科学。産業利用の分野で優れた成績をあげている施設です。我々の研究室では、BL40B2、BL03XUと呼ばれるビームラインで実験を行っています。SPring-8で行う小角X線散乱からは、1 nmから100 nmに相当する構造の特徴的な情報を得ることができます。

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